換声点とは声区の境目
「換声点」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
一般的な認識で私たちの声には地声と裏声の2種類の声区があります。
地声から裏声に切り替わる境目が「換声点」と呼ばれます。
通常、地声から裏声に切り替わるときは声質の変化が激しく起こります。
この現象は一般的に「声がひっくり返る」と表現されます。
声がひっくり返ってしまうことは歌の場面では大きな悩みの種です。
歌っている途中の一番盛り上がる所で裏声にひっくり返ってしまうとがっかりですよね。
プロの歌手みたいに幅広い音域を自由自在に歌いたい!
と多くの人は思っています。
だから、この換声点をなくす練習は大変注目を集めていますし、とても難しい部分でもあります。
地声と裏声の境目をわからなくし、スムーズに声区の切り替えを行うことがこの練習の目的になります。
なぜ声がひっくり返るのか?
声がひっくり返るという現象が起きるのは声質の変化が激しいからです。
多くの人は地声で低い音から高い音へ上げていくとき
普段出している声が地声成分100%だとすると、100%のまま声を高くしていっているのです。
そのまま換声点に到達すると一気に裏声成分100%の状態へ切り替わります。
地声成分100%と裏声成分100%とでは声質の差が大きすぎるので、声がひっくり返って聞こえるのです。
では、声がひっくり返らずに地声から高音域へ声をスムーズに伸ばしていくためにはどうすればいいのかというと、地声成分を抜かしていく必要があります。
地声の成分を抜かした分、裏声の響きを徐々に加えていくことで、地声から少しずつ裏声へ切り替わるという状態を作ることが出来ます。
そうすると声質の変化が緩やかになり、換声点はなくなっていきます。
地声成分を抜かしていくには?
地声成分を抜かしていくコツは「ため息発声」です。
高音へ伸ばしていくほど、ため息するように息っぽい声にしていくのです。
多くの人は音が高くなっていっても強い地声100%のまま持っていこうとするので、
「ため息発声」で、音が高くなっていくにつれて声帯を緩めていく動きになります。
輪郭がはっきりしていた地声100%の状態から、だんだん息漏れの多い声になっていくのです。
(地声成分0%はただ息を吐いている状態ということになります)
この状態のままでは高音になっていくにつれて声が霞んでいくだけですので、地声成分を抜かした分「芯の強い裏声の成分」を加えていきます。
「芯の強い裏声」の成分の方が地声と声質が近くなりますので、上手く繋がりやすいです。
こうすることでだんだん地声から裏声への切り替えがスムーズになっていきます。
最初はなかなかコツを掴みづらいと思いますが、挑戦してみてください
息がすぐになくなります。それだけ吐いてもものすごく小さな音しか出ません。芯のある声がどういう風に喉?声帯?を動かしたら出せるのかわかりません。
どうやったらできますか?
質問ありがとうございます!
正しい息の吐き方でちゃんと強く息を吐けているのなら、声が乗らない原因は声帯の閉鎖の方です。
声帯をより閉鎖して芯のある声を出す練習をしてください
この動画が参考になると思います!
https://youtu.be/SuT_0c1P9sI
換声点が無くなり、表の声?と裏声が1本に繋がるようになったのですが、次は何をしたら良いでしょうか。
ミックスボイスを見つけたいです。
地声とヘッドボイスそれぞれを強くしていくことが必要ですね!声区融合の練習は声帯の移行の感覚を掴むまでの段階になりますので、地声とヘッドボイスそれぞれを鍛えて繋げることでミックスボイスの区域も強く出しやすくなります!ミックスボイスの仕組みと考え方はこちらの動画を見て理解しましょう!
https://youtu.be/ate3Ydlg4mg